NTT光接続料金の大幅値下げ

NTT光ファイバーの貸し出し料金が大幅に値下げされる。
これは世間的に非常に喜ばしい事に見える。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110116k0000e020022000c.html

でも、これによって私の働いているCATV業界は破綻するかも知れない。完全な瀬戸際に追い込まれた。
自前で光ファイバーを敷設するのにあたっては、新規の電柱を建てることが事実上不可能であるため、通常は電力会社またはNTTの電柱を借りることになるのだが、この賃料は実に膨大な額になる。この賃料単価自体は地代・電柱資産の償却・維持管理費用等を考えると安く押さえてもらってると思うが、なにしろ非常に多くの電柱を借りる必要があるため、全体の賃料が大きくなるのだ。
もちろんそれ以外にも巨額の管理費用や設備投資が必要なので、予定されている心線貸し出し料金が3000円代になるなら、全てNTTから借りたほうが安くなるんじゃないだろうか。
そうなれば、もはや自前のインフラは必要なくなってしまうのではないか。そうして全てがNTTに集約されると、回線の多様性が失われて競争の無い業界になってしまうのではないだろうか。
今までも結局はNTTの手の上で踊っているだけに過ぎなかったとしても、各社しのぎを削って技術開発やサービス競争をしてきたのだが、もはやそれも必要ないということなのだろうか。昔の電電公社時代に戻るということなのだろうか。
でも、NTTの手の上で踊り続けた経験から思うのに、おそらくNTT自体はこんな事望んでないのだろうなぁ。
今回の件は「光の道」という政治的流れからそうなったのだが、まったくCATV業界や電力系事業者の今後を考えてないなぁと思った。

しかし、、、どうしたらいいんだろうねぇCATV。地域密着といっても中途半端だし、独自の番組をたくさん作れるわけでもないし、本当にコレといった武器がない。
実は業界としては一皮むける良い試練なのかもしれないね。ごく一部の会社以外は生き残れないと思うけど。
困った困った。